昨日は,仙台で東北大学生態適応GCOE「環境機関コンソーシアム」定例会がありました.企業・NGO/NPO・教員・学生あわせてのべ100名近い人が参加して,講演会・研究発表や環境機関コンソーシアムの今後の方向性などについて話し合いなどがありました.いずれの企画もとても盛況でした.また,私はこの企画をお手伝いさせていただいたのですが,いろいろ大変だったので,無事に終わってホッとしています.
講演会では,NPO法人「田んぼ」理事長の岩渕成紀さんとThink the Earthプロジェクトプロデューサーの上田壮一さんから,それぞれ刺激的な講演がありました.岩渕さんからは田んぼの生物多様性・ラムサール条約水田決議・水田文化の多様性・有機農法・環境教育など,田んぼのさまざまな側面についてお話をいただきました.特に生物多様性や有機農法に関連したお話については,ご自身の活動のなかでかなりのデータを収集されているようで,それらに裏打ちされたお話はとても説得力のあるものでした.
上田さんからは,「ソーシャルクリエイティブの可能性」という題で「伝えること」によって世の中をよくしていこうという一連の取り組みなどを紹介していただきました.「伝えること」を生業としているだけあって上田さんのお話は胸に残るものが多かったのですが,その中でも特に印象に残ったのが,「創造性は何のためにあるのか」という言葉でした.ただモノを作るだけでなく,そこに「創造性」を加えることで,今までとまったく違った価値を持ったものができる.そして,それによって周りの人間が幸せになれる.
物質的・経済的な側面に加えて社会や人間の福利など,モノの価値は多様化しています.いわばタイトルに引用した上田さんの言葉のとおり,私たちは「ターニングポイントを生きている」のです.そのなかで,自分の「創造性」を何のために使うのかということは,あるいはターニングポイントを生きる私たちが改めて考えてみなければいけないのかも知れません.
講演会ではゲストに圧倒されてしまった感はあったのですが,研究発表もかなり盛況でした.外部の人に聞いてもらうだけでなく,これまであまり交流がなかった内部の学生同士のあいだでも議論が盛りあがったようで,オーガナイザー冥利につきます.ちなみに,今回のイベントではアカデミアと企業・NGO/NPOのそれぞれの参加者に面白かったポスターに投票してもらい,もっとも多くのポイントを獲得した人にポスター賞と賞品を贈りました.受賞された方,おめでとうございます.私もポスターに参加すればよかったです.
イベントが終わってから夜行バスで東京に行き,今日は成田空港からクアラルンプールまで来ました.約半年ぶりのマレーシアは相変わらず熱いです.熱帯です.荷物を持って少し歩くだけで汗がダラダラでてくるのですが,その分だけビールが美味しかったです.明日は夕方まで自由時間なので,ちょっとだけ市内を観光してこようと思います.