2010年1月30日土曜日

めしなう

ここ最近,ずっとブログをサボっていました.書きたいことはたくさんあったのですが,イマイチ自分の中で消化しきれずに,文章に出来ませんでした.加えて,Twitterのほうも,どうでもいいつぶやきが多かったと思います.

どうでもいいつぶやきの中でも特に多かったのが,ごはんに関するつぶやきです.私には,ごはんを食べたりお酒を飲んだりするくらいしか趣味と言えるようなものはないのですが,ドクターに進学してからはめっきり自分で料理をすることもなくなってしまいました.でも,外食ばかりではお金がかかるうえに,自分が食べたいものが食べられないので,去年の秋くらいに一念発起して自炊をすることにしました.最初はお米がなかったのでパスタとかが中心だったのですが,新米が手に入ってからはほぼ毎日お米を炊いています.

おかずはだいたい魚がメインです.今の季節はホッケが安いので,ほぼ毎日ホッケを焼いています.その他には,青物のおひたしや玉子焼きなど,オーソドックスなものを作っています.下の写真は,今日の夕ごはんです.今日はブリのアラが150円で手に入ったので,ブリの粕汁・納豆ご飯・ひじきの煮物・だし巻き玉子・春菊&ほうれん草のごま和えを食べました.

昨日はクジラが食べたかったので,クジラのみそ汁(はりはり鍋風)・シラスと小エビのご飯・ホッケの塩焼き・だし巻き玉子・ほうれん草のごま和えにしました.

細かいおかずの類はちょっと多めに作ってタッパーに保存しているので,朝ごはんとかお弁当とかお酒のおつまみとかに使えて便利です.

ただ,こういうマトモな料理ばかりを毎日作っているわけではありません.先週はいろいろなご縁で,寿司を何回かごちそうになりました.カウンターに座って職人さんの仕事をながめていると,だんだん自分でもやってみたくなってきます.というわけで,今週の前半は4日連続で寿司を握りました.下の写真は初日に握ったアジとイカです.初日はうまくできなかったのですが,YouTubeなどで研究を重ねて,そこそこマトモに握れるようになりました.もちろんプロの職人さんには遠く及ばないのですが,何かの機会に披露できればと思ってます.

私は大学に入ってからいままで8年くらい一人暮らしをしていて,そのうち半分くらいは学食とか外食で済ませてきました.忙しいとどうしても自炊が続けられないのですが,今度はなるべく頑張って続けたいものです.

2010年1月7日木曜日

翻訳はむずかしい

昨年11月のPEM講義をきっかけに,国際環境NGOのThe Natural Stepが提供している教材の日本語版をつくるプロジェクトが,生態適応GCOEに参加している学生を中心に先月から進められています.私もテキストの翻訳をお手伝いしているのですが,これがなかなか大変で手こずっています.

作業のながれとしては,まず12,000語くらいの英語の文章を10人くらいで分担して下訳を作ってもらって,それを私がまとめて日本語の体裁を整えるという具合です.当初は下訳があれば体裁を整える作業なんて簡単だろうと思っていたのですが,人によって日本語の書き方がバラバラだったりたまに誤訳があったりして,2日かけてまだ全体の41%しか終わっていません.最初の15%は私がつくった見本訳なので,実質的には31%しか終わってないことになります.

プロジェクトリーダーから言われている締切は8日なのですが,このペースだと若干締切に間に合わない可能性がでてきました.マズイです.

こういう仕事をしてみると,プロの翻訳家の方々はすごいなぁと改めて感心します.英語力はもちろんですが,日本語で文章を書く能力も必要ですし,何よりも対象となる分野に関してそれなりの知識がないと翻訳の仕事はできません.私がいま訳している環境系の分野だと,アル・ゴアの不都合な真実を翻訳された枝廣淳子さんという方が有名なのですが,翻訳の質がすばらしいだけでなく,持続可能性・地球温暖化・生物多様性などに関して非常に幅広い活躍をされています.やはりそれだけ多彩なバックグラウンドがあってこそ,いい仕事ができるのでしょうね.

ちなみに今回の作業では,Google翻訳者ツールキットという,ウェブベースのツールを使っています.原文と訳文をハイライトして対比しながら翻訳できるほか,機械翻訳が下訳をやってくれたり,辞書や自分で定義した単語集を翻訳中に参照することもできます.過去に誰かが全く同じ文章を訳していれば,その訳も表示してくれるようです.しかも,Googleドキュメントのように何人かで同時に同じ文章を編集することもできます.

多くの人にとって実際,翻訳の仕事をすることはあまりないとは思いますが,もし機会があればぜひ試してみてください.

2010年1月4日月曜日

新しい年を,背水の陣で迎える

明けましておめでとうございます.昨年はとても多くの方にお世話になり,貴重な経験をいろいろさせていただきました.今年もいろいろお世話になるかと思いますが,よろしくお願いします.

昨年はGCOEの影響もあって,自分のこれまでの興味とはかなり離れた分野について,いろいろ勉強させてもらった1年でした.イベントやPEM講義で企業・NGO/NPOの方々と交流する機会が増え,地球環境・生物多様性・持続可能性などについて以前よりも多角的な視点で問題を認識できるようになりました.また9月にはマレーシア・ボルネオ島に連れていってもらい,開発途上国の生物多様性が直面している危機とそれを取り囲む多くの問題について,深く考える機会をもらいました.

現場にいる人たちと交流できたことは,環境問題における研究者の立ち位置・役割について深く考え直すきっかけにもなりました.一応私は,大学に入ってからずっと応用科学の分野にいたつもりだったのですが,私の研究成果が現場に何か具体的な貢献したことは多分ありません.私が自分の研究の意義と言っているもののほとんどが,根拠があまりないこじつけです.私のまわりにいた研究者の多くもそうだったと思います.大学に入った当初は,現場と離れた応用科学に強い違和感を感じていたのですが,いつしかそれが当たり前になりすぎていたようです.

これらの経験を通じて昨年は,自分のこれらからの進路についてもいろいろ考えました.これまで私はずっと生態学の研究者になりたいと思ってきたのですが,ここに来て政策・意思決定の現場により近い場所で働いてみたいとも思うようになりました.どちらの道を目指すにしても見通しはあまりなくて,むしろ不安ばかりなのですが….

その一方で,自分の研究についてはほとんど何も進展がありませんでした.むしろ,後退してるくらいです.最近は仕事が手につかないばかりか,研究をすることに対して面白さを感じなくなってきました.これでは肝心の博士号をとれないばかりか,いままでお世話になってきた多くの方のご好意を無下にすることになってしまうので,何とかモチベーションを戻していかねばです.どこかに集中して論文を書くなど,自分に研究についてじっくり考える時間をとらねばです.

学位取得があと1年と少しに迫ってきたいま,2010年はこれから自分は何をしたいのか・すべきなのかを真剣に考える年になりそうです.学部以来ずっと甘んじていたモラトリアムは,あと1年ちょっとで終了します.今の自分はまだ社会に出る準備が出来ているとは言えません.知識・実力をつけることはもちろんですが,それ以上に今年は専門家としての自分のアイデンティティを確立することを目標にしたいと思います.

さて,次は何しようかな・・・