2009年8月25日火曜日

雲をつかむような話とささやかな幸せ

今日は早朝から昼まで実験をして,午後は富松さん生態適応GCOE関連のミーティングのために仙台へ行ってきました.

ミーティングの目的は,来年の春に予定している国際ワークショップに関連して執筆を予定している総説論文の方向性を議論することです.この総説論文は国際ワークショップの招待講演者とGCOEのスタッフが中心になって文献調査・メタ解析・執筆を行うことになっているのですが,私を含めて4人の博士課程の学生も作業に参加させてもらえることになりました.せっかくの機会なのでいろいろ勉強させてもらいたいと思います.

国際ワークショップのテーマは「生態系の安定性・頑健性」ということなので,これに関してこれまでに得られている知見のレビューと将来の課題を議論すればよいわけです.ところが今回の国際ワークショップには,個体・個体群レベルからネットワーク・景観レベルまで,それぞれのスケールで起こっている現象を扱っている研究者が参加するので,それらを網羅するような具体的な切り口・トピックがなかなか思い浮かびません.そこで今回の総説論文では,様々なスケールで得られている知見を“統合”して,何か新しい知見が得られないかということになりました.いわば“レビューのレビュー”をしようというわけです.

では,どうやってそれを具体的に進めていこうかという話になるのですが,あまりにもテーマが大きすぎて,雲をつかむようなまとまりのない話が延々と続きました.だいたい上の文章を読み返してみて,自分でも何が言いたいのか分かりません(笑).しかし最終的にはいくつかいいアイディアがでて,なんとか次のステップには進めそうな気がしてきました.依然として雲をつかむような話ですが,つかもうとしている雲のおおよその形が見えてきたくらいの成果はあったと思います.10月から文献調査を開始するということなので,それまでには具体的な計画が立てられればと思います.

夕方にミーティングが終わってすっかりお腹が減ったので,帰りは何か美味しいものを食べようということになりました.道中2人であれこれ考えて,今回は古川の造り酒屋の建物をそのまま利用した醸室(かむろ)という飲食店街に入っている,ビストロ足軽というイタリア料理のお店に行くことにしました.酒蔵だった建物を改装した,20席くらいのとてもこじんまりとしたお店です.

黒板にあったおすすめの単品料理や石窯焼きのピザも魅力的だったのですが,せっかくなので(?)今回はコース料理を頂いてみることにしました.コースは魚介のカルパッチョ,若鶏とキノコのクリームスパゲティ,豚肩ロースと野菜の焼き物に加えてデザートという構成でした.どれもとても美味しくて,幸せな時間を過ごすことができました.

また近いうちに来たいと思います.

2 件のコメント:

  1. あごばやし2009年8月28日 17:32

    お久しぶりです。

    東北大のGCOEは、具体的な成果が出る形の企画があって
    良い感じですね。

    こちらのものは、お金バラマキ⇒それぞれがそれぞれのテーマで論文書いて、という形だけで、GCOEとしての色のようなものが薄い気がします。それも、僕たち学生にとってはありがたい話なのですがね。


    ワークショップ→メタ解析→Review論文というのは
    結構ある流れなのでしょうか?

    ドイツかどこかで、Marine系のテーマに限ってですが
    国際的に学生を呼んでナチュレレベルのReview論文を書かせるワークショップがあるみたいですしね。

    なにはともあれ、相変わらずガンガンのようで。

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  2. そちらのGCOEの噂はちらほら聞いてます.分野を超えて一緒に仕事をするのは,口で言うほど簡単ではないですよね.実際,今回のReview論文プロジェクトも“天命”で招集された若手スタッフで始めてみたものの,どうやって進めていこうかということを話し合う段階でかなり苦労してます.

    できれば,専門を超えて全体を俯瞰できるコーディネータが一人いるといいのですが…

    ワークショップから論文という流れは,結構あるようです.先々週もstoichiometry関連のワークショップが川渡であって,すでにOikosにメタ解析論文を投稿してるようです.

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