2009年8月18日火曜日

季節はずれの『これ論』ブーム

ここ最近,農場にいるM1の学生がこぞって,酒井さんの名著『これから論文を書く若者のために 大改訂増補版(通称:これ論)』を読んでいるようです.普通,学生が『これ論』を読むのは12月から2月の卒論・修論シーズンだと思うのですが,この時期に熱心に論文の書き方を勉強するのは(1)卒論を投稿論文にしようとしているか,(2)まだ卒論を書いていないのどちらかでしょう.

実際,(2)に当てはまる学生は数名いて,遅ればせながら論文とは何ぞやということを勉強しているようです.一方,すでに卒論を提出しているのに『これ論』を読んでいる学生もいて,なかなか勉強熱心で野心的な学生もいるものだな,と感心しています.いずれにしても,『これ論』はただ論文を書くだけでなく,論理的な文章の書きかたに関するとてもよい教科書なので,これはいいブームだと思います.

ただ残念なことに,学生が『これ論』を読んで,(不完全にせよ)論理的な文章を書こうとしているのに,それに対して有効な指導ができない人も教員の中にいるようです.そういう人はたいてい欲張りなので,一度に論理構成に加えて体裁・日本語の使い方の不備をすべて指摘するので,学生が指導されたことを反芻できずに,ただ赤を入れられたとおりに文章を書きなおすだけで終わってしまいます.

自分は学生を指導する立場でないので言いにくいのですが,もうちょっと余裕をもった指導ができないものでしょうか.せっかく時間とエネルギーをかけて文章を添削しているのに,もったいないことですよ,ホント.

ところで,『これ論』を読んだ数人の学生から,「『これ論』を読んでいると何だか富田さんに説教されてるような気分になります」と言われてしまいました.確かに,私は学部生のときから『これ論』のお世話になっていて,論理的な主張の展開の仕方と文章の書き方の多くを『これ論』に教わったと言っても過言ではありません.でも,自分で面倒を見ているわけでもない学生にこういうことを言われるとは….

自分でも気がつかないほど『これ論』に影響されているのでしょうか.とりあえず,今後はもうちょっとフランクな会話の割合を増やすように気をつけたいと思います.

3 件のコメント:

  1. ご無沙汰してます
    Mimuraさんが会いたいって言ってるので横浜来てください

    別刷り下さい!

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  2. 横浜,近いうちに行きたいです.10月中旬か後半あたりはどうでしょうか?

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  3. Tomitaくんに会いたい!って言っていたのは、にしなさんですよ!素直になってください笑。Tomitaくん、別刷り勝手に頂きました。是非、横浜遊びに来てくださいねー。

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