2010年1月4日月曜日

新しい年を,背水の陣で迎える

明けましておめでとうございます.昨年はとても多くの方にお世話になり,貴重な経験をいろいろさせていただきました.今年もいろいろお世話になるかと思いますが,よろしくお願いします.

昨年はGCOEの影響もあって,自分のこれまでの興味とはかなり離れた分野について,いろいろ勉強させてもらった1年でした.イベントやPEM講義で企業・NGO/NPOの方々と交流する機会が増え,地球環境・生物多様性・持続可能性などについて以前よりも多角的な視点で問題を認識できるようになりました.また9月にはマレーシア・ボルネオ島に連れていってもらい,開発途上国の生物多様性が直面している危機とそれを取り囲む多くの問題について,深く考える機会をもらいました.

現場にいる人たちと交流できたことは,環境問題における研究者の立ち位置・役割について深く考え直すきっかけにもなりました.一応私は,大学に入ってからずっと応用科学の分野にいたつもりだったのですが,私の研究成果が現場に何か具体的な貢献したことは多分ありません.私が自分の研究の意義と言っているもののほとんどが,根拠があまりないこじつけです.私のまわりにいた研究者の多くもそうだったと思います.大学に入った当初は,現場と離れた応用科学に強い違和感を感じていたのですが,いつしかそれが当たり前になりすぎていたようです.

これらの経験を通じて昨年は,自分のこれらからの進路についてもいろいろ考えました.これまで私はずっと生態学の研究者になりたいと思ってきたのですが,ここに来て政策・意思決定の現場により近い場所で働いてみたいとも思うようになりました.どちらの道を目指すにしても見通しはあまりなくて,むしろ不安ばかりなのですが….

その一方で,自分の研究についてはほとんど何も進展がありませんでした.むしろ,後退してるくらいです.最近は仕事が手につかないばかりか,研究をすることに対して面白さを感じなくなってきました.これでは肝心の博士号をとれないばかりか,いままでお世話になってきた多くの方のご好意を無下にすることになってしまうので,何とかモチベーションを戻していかねばです.どこかに集中して論文を書くなど,自分に研究についてじっくり考える時間をとらねばです.

学位取得があと1年と少しに迫ってきたいま,2010年はこれから自分は何をしたいのか・すべきなのかを真剣に考える年になりそうです.学部以来ずっと甘んじていたモラトリアムは,あと1年ちょっとで終了します.今の自分はまだ社会に出る準備が出来ているとは言えません.知識・実力をつけることはもちろんですが,それ以上に今年は専門家としての自分のアイデンティティを確立することを目標にしたいと思います.

さて,次は何しようかな・・・

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